ねるね
DONE🛁(@RzJis)さんの人魚AUにウキウキして書かせて頂いたギャグ。がぴたくんそううけ的なアレを目指したらぐえんちゃん無双になった(ぐえぴた・うぇがぴた・ではりがぴた)がぴたくん🧜がめっちゃ右の方にいる和風人魚AU「釣れたぞ、釣れたぞ、大物だ!」
いつかの昔、どこかの村の静かな朝に、がさつな大声が響きます。鶏もまだ鳴かぬ夜明け前、村のものは誰も皆、深い眠りの中におりました。ただ一人を除いては。
「朝は静かにしなさいって言ってるでしょ!」
書きかけの祝詞を置いて、木戸の向こうへ叫ぶのは、この村の神主のぐえんちゃんです。今日は村の鎮守の神様の、めでたいめでたいお祭り日。祭主を務めるぐえんちゃんは、その準備に大忙しなのでした。
「アンタも今叫んだから同罪だな。いいから出てこいよ。なんか凄えの釣れちゃった」
減らず口を返すのは、祝(ほうり)のウェイドウィルソンです。上司であるぐえんちゃんの命令で夜釣りに出ていた彼は、釣り上げたばかりの大きな魚を肩に担いでおりました。年に一度のこの例大祭には、朝一番に釣った魚をお供えするのが、村の古くからの慣わしなのです。
5479いつかの昔、どこかの村の静かな朝に、がさつな大声が響きます。鶏もまだ鳴かぬ夜明け前、村のものは誰も皆、深い眠りの中におりました。ただ一人を除いては。
「朝は静かにしなさいって言ってるでしょ!」
書きかけの祝詞を置いて、木戸の向こうへ叫ぶのは、この村の神主のぐえんちゃんです。今日は村の鎮守の神様の、めでたいめでたいお祭り日。祭主を務めるぐえんちゃんは、その準備に大忙しなのでした。
「アンタも今叫んだから同罪だな。いいから出てこいよ。なんか凄えの釣れちゃった」
減らず口を返すのは、祝(ほうり)のウェイドウィルソンです。上司であるぐえんちゃんの命令で夜釣りに出ていた彼は、釣り上げたばかりの大きな魚を肩に担いでおりました。年に一度のこの例大祭には、朝一番に釣った魚をお供えするのが、村の古くからの慣わしなのです。
mitsuhitomugi
DONE真田と荒垣の幼少期の話です。勢い任せに書いたらそれなりの文量になったので上げます。過去捏造設定甚だしい(特に真田家)のでご注意ください。
転校生 その日は、明彦が初めて月光館学園の生徒として教室に入った日だった。転校生がそんなに珍しかったのか、明彦はあっという間に同級生達に取り囲まれ、為す術無く見世物同然の存在となった。元来臆病な性格の明彦には、自分に向けられた関心が好意によるものだとは到底思えなかった。子供たちが皆一様に首に赤や黒のリボンを着け、同じ白いシャツの上に同じ黒い上着を羽織っていることすら不気味に思えた。こちらへ向けてしきりに何か呼びかけてくる、その嵐のような騒々しさに狼狽えて、明彦は少しも声を発することができなかった。どこから来たの、前の学校はどんなところだったの、と矢継早に質問を投げかけられる中、明彦は黙り込んだまま、ここに自分を知る者が一人もいない事実を突きつけられていた。
4467mitsuhitomugi
DONE正月って言っても許される期間の内に書き上げたい〈追記〉
15日までは正月らしいのでセーフ!
俺たちの正月年が明けて二回目の昼が来た。
今年の正月は例年よりもずっと陰鬱で辛気臭くて、世間ではやれ終末だやれ救済だといった言葉が人々の間で飛び交っている。なんだか気味の悪いカルト宗教なんかも流行しているらしく、ただでさえポイ捨てが多い街中には不気味なチラシがあちらこちらに貼られていた。普段なら日が暮れるまで友人と遊ぶなり一人でぶらつくなりするのだが、気温のせいだけではないうすら寒さに耐えかねて早々に寮へと戻ってきてしまった。
「……自己責任、か」
扉に手を掛けたまま一歩立ち止まる。絶対に避けられないという滅びに立ち向かう決心をしたのは僕達特別課外活動部で、「逃げない」と最終的な決断を下したのは他でもない僕自身だ。まさか日常までもがこんな風に侵されてしまうだなんて予想もしなかったけれど、これが「滅び」が近づいている証だというのなら、僕達はこれを乗り越えていかないといけない。今朝も早くから「初売りに行ってくる」と意気揚々と出かけて行った女性陣を思うと、リーダーの自分が弱気になっていてはいけないと叱咤されるような気分だ。
4048今年の正月は例年よりもずっと陰鬱で辛気臭くて、世間ではやれ終末だやれ救済だといった言葉が人々の間で飛び交っている。なんだか気味の悪いカルト宗教なんかも流行しているらしく、ただでさえポイ捨てが多い街中には不気味なチラシがあちらこちらに貼られていた。普段なら日が暮れるまで友人と遊ぶなり一人でぶらつくなりするのだが、気温のせいだけではないうすら寒さに耐えかねて早々に寮へと戻ってきてしまった。
「……自己責任、か」
扉に手を掛けたまま一歩立ち止まる。絶対に避けられないという滅びに立ち向かう決心をしたのは僕達特別課外活動部で、「逃げない」と最終的な決断を下したのは他でもない僕自身だ。まさか日常までもがこんな風に侵されてしまうだなんて予想もしなかったけれど、これが「滅び」が近づいている証だというのなら、僕達はこれを乗り越えていかないといけない。今朝も早くから「初売りに行ってくる」と意気揚々と出かけて行った女性陣を思うと、リーダーの自分が弱気になっていてはいけないと叱咤されるような気分だ。